コンブ等海藻使用の和食啓蒙が新型コロナ対策になる可能性
(この投稿記事は、弊社公式サイト内の、美容・健康情報館の記事をもとに、縮小版として作成しました。)
( 前回の記事 よりの続き)
感染症対策として、もちろんすべての栄養素を適切に摂取しておくことが望ましいが、その中でもとりわけ重要とされているミネラルがある。そのうちのひとつが海洋ミネラルのヨウ素(ヨード)であり、不足すれば衰弱して易感染性に陥ることが知られている。ヨウ素は魚介類にも含有されているが、とりわけ海藻に豊富に含まれる。最もヨウ素を多量に含むのは昆布であり、乾燥体グラム当たり5mg程度である。(1mgは1/1000グラム、厚生労働省は含有量を1.3mgとしているが、これはきわめて低めの数値。詳しくは詳細ページへ)
日本人の食事摂取基準2020年版によれば、ヨウ素の成人の推奨摂取量は0.13mg/日であり、許容上限摂取量は3.0mg/日とされている。ヨウ素は摂取量が少なくても多すぎても、甲状腺疾患の原因となる。厚生労働省は、平均的には充分ヨウ素摂取は足りている、むしろ過剰摂取気味であるとしている。しかしこれはあくまでも、「平均」であり、海藻が好きな方は3度の食事に、昆布ダシのお味噌汁を摂取する方もおられる。
1回に昆布3グラム使用するとして3食で9グラム、ヨウ素換算で45mgとなるが、それがただちに甲状腺疾患につながるというわけではない。なぜなら大豆を原料とする豆腐や味噌には、過剰なヨウ素を解毒する作用があるからだ。とはいえ安全のため、昆布であれば2グラムまでに抑えたい。日本人であれば10mg程度のヨウ素摂取は実害がないとされている意見が支配的であり、実際そのようである。
(詳しくお知りになりたい方は、海藻のヨウ素含有量に関する記事や海藻と豆類の組み合わせに関する記事をご参照されたし。)
このようにヨウ素摂取が過剰気味になる方がおられるということは、足りない方もおられるということになる。あくまでも「平均的に足りている」からだ。専門家によれば、ヨウ素不足の方は決して少数ではなく、かなりおられる可能性が高いとのこと。端的にいえば、洋食中心の食生活しか食さない方は、ヨウ素不足である危険性がある。ヨウ素は寒い時期に多く消費されることから、春先には体内のヨウ素が枯渇している可能性がある。とくに胎児を宿した妊婦さんは赤ちゃんの成長にもヨウ素が必要であるため、要注意であろう。
また困ったことに洋食中心でありながらも、なぜか豆腐だけは食するといった方もおられる。大豆の成分はヨウ素を消費してしまうため、決定的なヨウ素不足に陥る危険性がある。国によっては大豆を子供に摂取させないようにしているが、この大豆の成分が必要なヨウ素までも消費してしまうという副作用を懸念してのことである。ヨウ素が不足すれば成長が止まる。
最初にヨウ素不足は易感染性になると申し上げたが、これは新型コロナウィルスに対しても例外でない可能性が非常に高い。下記は2020年3月31日現在の、人口に対する新型肺炎による死者の比率(%)である。比較しやすくするために、小数点以下の桁数は揃えていない。
イタリア :0.026
フランス :0.013
アイルランド:0.003
デンマーク :0.003
ノールウェイ:0.001
韓国 :0.0004
日本 :0.00001
緯度が低い国では、冷房が極端に普及でもしていない限りは爆発的流行は起こりにくいため、対象から除外している。
同じEU諸国でもイタリアとフランスに比べて、アイルランドとデンマークとノールウェイの死者が一桁少ない。また韓国はもう一桁少なく、さらに日本はもう一桁少ない。じつはイタリアとフランス以外は、海藻を食する何らかの文化・風習がある。
ノリやコンブやワカメやヒジキは、そのまま英語としても通用するぐらい、食用海藻として利用した文化は日本が最初とされる。よく似た例であるが、民族名を冠している海藻がある。アイリッシュモスとよばれるツノマタで、学名は“Chondrus Crispus”だ。増粘多糖類のカラギナンの原料となる。千葉県の風土料理に「海草」なるものがあるが、それは近似種のコトジツノマタを調理したものである。アイルランドに住むケルト人は古来よりこの海藻を食料として利用してきた。とくに飢饉のときには、この海藻で飢えを凌いだとされる。
そのケルト人であるが、フランスにも多く住む地域がある。かつてはブルターニュ公国であった、現在のブルターニュ州である。この地域に限っての2020年4月6日時点の死亡者の比率(%)は、下記のとおりである。
ブルターニュ州:0.002
デンマークとノールウェイは、バイキングを生んだ国とされる。船乗りにとってイチバン厄介な病気は、ビタミンC不足による壊血病であった。バイキングはビタミンC補給のため、ヒバマタ(フーカス)という海藻を食べていたという事実がある。じつはこの海藻は私も食したことがあるが、獣臭のような異臭を放つ。加熱するとさらに臭いは激しくなり、思わず戻しそうになった。おまけに日本人が食する海藻に比べて、テクスチャーはたいへん硬い。こんな海藻を食することができるのであれば、他の海藻も難なく食せるのではと推測できる。詳しく調べてみないと正確なことは言えないものの、デンマークとノールウェイは海藻を食用とすることには抵抗がないようで、海藻を使用した様々な開発されているようである。
韓国旅行をされた方はご存知だと思うが、キムパプ(キンパ)と称される海苔巻きご飯がある。日本の巻きずしから酢を抜いたものとほぼ同じだ。もともとサンドイッチと同じく行楽用であったが、大都市の裏通りを歩けば学校帰りの子供たちが、屋台で頬張っているのをよく見かける。それほど海苔の摂取量は多い。またビビンパ等の韓国料理には、ワカメなども使用される。
ユニセフによれば、世界のなかでヨウ素摂取が十分または過剰気味なのは、韓国と日本のみとのこと。イタリアやフランスに比べれば、他の国の殆どは島国または海に囲まれていて、人の往来は少ないのではという議論の余地はあると思う。しかし次の事実を考え併せれば、あながち間違った方向ではないことが、おわかり頂けると思う。(→ 次の記事 へ)
日本人の食事摂取基準2020年版によれば、ヨウ素の成人の推奨摂取量は0.13mg/日であり、許容上限摂取量は3.0mg/日とされている。ヨウ素は摂取量が少なくても多すぎても、甲状腺疾患の原因となる。厚生労働省は、平均的には充分ヨウ素摂取は足りている、むしろ過剰摂取気味であるとしている。しかしこれはあくまでも、「平均」であり、海藻が好きな方は3度の食事に、昆布ダシのお味噌汁を摂取する方もおられる。
1回に昆布3グラム使用するとして3食で9グラム、ヨウ素換算で45mgとなるが、それがただちに甲状腺疾患につながるというわけではない。なぜなら大豆を原料とする豆腐や味噌には、過剰なヨウ素を解毒する作用があるからだ。とはいえ安全のため、昆布であれば2グラムまでに抑えたい。日本人であれば10mg程度のヨウ素摂取は実害がないとされている意見が支配的であり、実際そのようである。
(詳しくお知りになりたい方は、海藻のヨウ素含有量に関する記事や海藻と豆類の組み合わせに関する記事をご参照されたし。)
このようにヨウ素摂取が過剰気味になる方がおられるということは、足りない方もおられるということになる。あくまでも「平均的に足りている」からだ。専門家によれば、ヨウ素不足の方は決して少数ではなく、かなりおられる可能性が高いとのこと。端的にいえば、洋食中心の食生活しか食さない方は、ヨウ素不足である危険性がある。ヨウ素は寒い時期に多く消費されることから、春先には体内のヨウ素が枯渇している可能性がある。とくに胎児を宿した妊婦さんは赤ちゃんの成長にもヨウ素が必要であるため、要注意であろう。
また困ったことに洋食中心でありながらも、なぜか豆腐だけは食するといった方もおられる。大豆の成分はヨウ素を消費してしまうため、決定的なヨウ素不足に陥る危険性がある。国によっては大豆を子供に摂取させないようにしているが、この大豆の成分が必要なヨウ素までも消費してしまうという副作用を懸念してのことである。ヨウ素が不足すれば成長が止まる。
最初にヨウ素不足は易感染性になると申し上げたが、これは新型コロナウィルスに対しても例外でない可能性が非常に高い。下記は2020年3月31日現在の、人口に対する新型肺炎による死者の比率(%)である。比較しやすくするために、小数点以下の桁数は揃えていない。
イタリア :0.026
フランス :0.013
アイルランド:0.003
デンマーク :0.003
ノールウェイ:0.001
韓国 :0.0004
日本 :0.00001
緯度が低い国では、冷房が極端に普及でもしていない限りは爆発的流行は起こりにくいため、対象から除外している。
同じEU諸国でもイタリアとフランスに比べて、アイルランドとデンマークとノールウェイの死者が一桁少ない。また韓国はもう一桁少なく、さらに日本はもう一桁少ない。じつはイタリアとフランス以外は、海藻を食する何らかの文化・風習がある。
ノリやコンブやワカメやヒジキは、そのまま英語としても通用するぐらい、食用海藻として利用した文化は日本が最初とされる。よく似た例であるが、民族名を冠している海藻がある。アイリッシュモスとよばれるツノマタで、学名は“Chondrus Crispus”だ。増粘多糖類のカラギナンの原料となる。千葉県の風土料理に「海草」なるものがあるが、それは近似種のコトジツノマタを調理したものである。アイルランドに住むケルト人は古来よりこの海藻を食料として利用してきた。とくに飢饉のときには、この海藻で飢えを凌いだとされる。
そのケルト人であるが、フランスにも多く住む地域がある。かつてはブルターニュ公国であった、現在のブルターニュ州である。この地域に限っての2020年4月6日時点の死亡者の比率(%)は、下記のとおりである。
ブルターニュ州:0.002
デンマークとノールウェイは、バイキングを生んだ国とされる。船乗りにとってイチバン厄介な病気は、ビタミンC不足による壊血病であった。バイキングはビタミンC補給のため、ヒバマタ(フーカス)という海藻を食べていたという事実がある。じつはこの海藻は私も食したことがあるが、獣臭のような異臭を放つ。加熱するとさらに臭いは激しくなり、思わず戻しそうになった。おまけに日本人が食する海藻に比べて、テクスチャーはたいへん硬い。こんな海藻を食することができるのであれば、他の海藻も難なく食せるのではと推測できる。詳しく調べてみないと正確なことは言えないものの、デンマークとノールウェイは海藻を食用とすることには抵抗がないようで、海藻を使用した様々な開発されているようである。
韓国旅行をされた方はご存知だと思うが、キムパプ(キンパ)と称される海苔巻きご飯がある。日本の巻きずしから酢を抜いたものとほぼ同じだ。もともとサンドイッチと同じく行楽用であったが、大都市の裏通りを歩けば学校帰りの子供たちが、屋台で頬張っているのをよく見かける。それほど海苔の摂取量は多い。またビビンパ等の韓国料理には、ワカメなども使用される。
ユニセフによれば、世界のなかでヨウ素摂取が十分または過剰気味なのは、韓国と日本のみとのこと。イタリアやフランスに比べれば、他の国の殆どは島国または海に囲まれていて、人の往来は少ないのではという議論の余地はあると思う。しかし次の事実を考え併せれば、あながち間違った方向ではないことが、おわかり頂けると思う。(→ 次の記事 へ)
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