グリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸ジカリウム/グリチルリチン酸二カリウム/GKⅡ)のステロイド様作用とは?
(連続記事第2章④よりの続き)
グリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸2K/グリチルリチン酸二カリウム/GKⅡ)にはステロイド様作用があるとされています。これはグリチルリチン酸2Kとステロイドの分子構造が酷似しているためだとされています。そのためにステロイド剤と同様の、抗炎症作用や抗アレルギー作用があります。
アトピー性皮膚炎患者さんのスキンケア(アトピーケア)として、ステロイド剤の代わりにグリチルリチン酸ジカリウム(医薬部外品での表示はグリチルリチン酸二カリウム)配合化粧水が使用される場合もあるようです。ステロイド剤よりも作用が穏やかであり、副作用も軽微といった認識からのようですが、これには大きな落とし穴があるようです。(詳しくは後段にて)
また同じ作用をしないまでも、ステロイド剤とは違った経路をたどって、結果的には同じ作用を及ぼす例もあるようです。グリチリルリチン酸2Kは、体内のたんぱく質や脂肪をブドウ糖に変える「糖化作用」があります。この場合の「糖化」とは、最近注目されている「最終糖化産物(AGEs)」を産生する作用である「糖化作用(メイラード反応)」とは別のものです。
ステロイド剤が救命措置として必要とされる例として、患者さんがショック状態の低血糖の生命が危険な時に、ステロイドが投与されることがあるようです。これはステロイド剤が体内での糖化促進して、血糖値を上げる作用を狙ったものです。
糖化に関与する副腎皮質ホルモンには、「活性型コルチゾール」と「不活性型コルチゾン」があります。活性型とは、糖化させる力のあるとされています。じつはステロイド剤の主要な有効成分は、この「活性型コルチゾール」というわけです。
「活性型コルチゾール」は生体内から分泌される“11β-HSD2”と呼ばれる変換酵素により、「不活性型コルチゾン」に変換されることが、最近明らかとなっています。また一方では、「不活性型コルチゾン」を「活性型コルチゾール」に変換する酵素“11β-HSD1”が分泌されることも、わかってきています。
これらの酵素は体内での「活性型コルチゾール」の量を制御することで、血糖値を正常にコントロールする働きがあるとされています。ステロイド剤の場合は直接的に働いて血糖値を上げますが、グリチルリチン酸2Kの場合は「活性型コルチゾール」を「不活性型コルチゾン」に変換する酵素“11β-HSD2”の働きを妨げることで血糖値を上げることが、明らかとなってきました。
瀕死の状態の患者さんにとっては、ブドウ糖を得ることは大切なことでしょう。しかしお肌に潤いを与えたり美しくするために、ブドウ糖は必要でしょうか?
お肌はブドウ糖を欲しているのでしょうか??
ここが最大のポイントですが、お肌はブドウ糖を欲してなどいません!
むしろ不要なブドウ糖が増え過ぎることは、美肌作りにはマイナスなのであり、この点を多くの消費者が見落とされているのが実情なのです。(連続記事第3章② へ)
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