ニキビケア グリチルレチン酸二カリウム配合薬用化粧水を長期使用するとニキビ悪化の危険性

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弊社公式サイト内の「グリチルリチン酸ジカリウム 平成のまとめ」の連続記事を追記・補完のうえ、再編成いたしました。下記は第6章の一部内容の縮小版です。詳細記事をご覧になりたい場合は、上記リンクをクリック下さい。

連続記事第6章②よりの続き)

ニキビケア用の薬用化粧水等へのグリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸ジカリウム/医薬部外品では「グリチルリチン酸二カリウム」と表記)の配合目的は、抗炎症作用によってニキビの症状を抑えることです。しかしニキビ対策用の薬用化粧水によっては、抗菌効果/静菌効果、さらには殺菌効果までも宣伝されている場合があるようです。

確かにグリチルリチン酸2Kを含有する甘草には、古くから抗菌作用があることが知られています。しかしその抗菌効果はとても穏やかなもので、それなりの濃度でなければ効果を発揮しません。しかし高濃度にするにしても、化粧品や薬用化粧品にはグリチルリチン酸2Kの上限配合量の制限があるため、その宣伝には少々無理があるようです。そういうわけで、ニキビ対策の薬用化粧水には、サリチル酸などの強力な殺菌剤が、配合されている場合が多いようです。

こいうった薬用化粧水で、もちろんニキビが改善される場合もあるでしょう。しかしニキビがひどく悪化する(逆効果である)ケースが、決して少なくないようです。そのメカニズムについて、考察したいと思います。

ニキビ対策の薬用化粧水等の一般的な効能効果は、ニキビの炎症を鎮める(ニキビを大きくしない)ことと、②アクネ菌/ニキビ菌の殺菌です。抗炎症はグリチルリチン酸2Kが担い、殺菌はサリチル酸などの殺菌剤が担うこととなります。

しかしここには宣伝文句には書かれていない、大きな落とし穴があるのです。それは、グリチルリチン酸2Kのステロイド様作用による副作用です。私が調べた限りでは、注意書きにもこの副作用は書かれていないようです。

グリチルリチン酸2Kは、その免疫抑制作用で、免疫活動である炎症を鎮めようと働きます。しかし雑菌に対する皮膚の抵抗力も免疫活動であるため、アクネ菌/ニキビ菌に対す皮膚の抵抗力をも低下させることとなります。そうなれば、たとえサリチル酸などの殺菌剤でアクネ菌/ニキビ菌が弱ったとしても、それ以上に相対的に皮膚の抵抗力がグリチルリチン酸2Kによって弱ってしまえば、ニキビが悪化する危険性があるわけです。

これは経験されたことがおありであればおわかりだと思いますが、ストレスなどにより身体が抵抗力を失うと、体表や体内に潜んでいる常在菌が日和見菌を巻き込んで、一気に体に攻撃をしかけてくることがあります。いったん雑菌の乱が勃発するとその威力はすさまじいもので、抗生物質を投与してもなかなかおさまりません。また抗生物質によって、ますます体の抵抗力が弱まり、また臓器を傷つける危険性もあります。

お話をふたたびニキビに戻しますが、グリチルリチン酸2Kとサリチル酸などの殺菌剤を有効成分とする薬用化粧水で治癒しそうであれば、それはそれで問題のないことでしょう。しかしニキビがどんどん悪化していくのであれば、要注意です。悲惨な状況にまで至らないうちに、信頼のおける医療機関にて、早めに受診されることをおすすめ致します。

なお、皮脂の過剰分泌を伴うなどの中高生のニキビでお悩みの場合は、公式サイト内の中高生のニキビの原因と対策に関する別の記事をご覧下さい。劇的に改善する場合もあります。ご参考まで。

(続きの 連続記事第6章③ へ)

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