チメロサール含有ワクチンと自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)との因果関係

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前回の記事にて、このシリーズ記事の結論を述べさせて頂きました。今回より2回はご参考のための、追加記事となります。

1928年にオーストラリアにて、ワクチン瓶の開封から期間を経過した(使い残した)ジフテリアワクチンを接種したところ、12人の幼い子供が死亡する惨事は起こりました。命を救うはずのワクチンが、ヒトの命を奪ってしまっては本末転倒です。そういう経緯で、開封後のワクチンに雑菌やウイルスが迷入した場合でも安全性を確保するために、ワクチンに防腐剤が配合されるようになりました。その防腐剤として使用され始めたのが、エチル水銀化合物であるチメロサールです。チメロサールは体内に入ると分解されて、その半分の量がエチル水銀となります。 

水銀には、金属水銀、無機水銀、有機水銀の、3つの形態があります。このうちの金属水銀は水銀単体の物質で、体温計などにも使用されており、ガス化して肺から吸収でもしない限りは、毒性はほぼ無しとされています。無機水銀は炭素原子以外の他の原子と結びついた化合物で、多量に経口摂取した場合は消化器系や腎臓などを損傷したり最悪は死に至る場合があるものの、血液脳関門や胎盤を通過することはできません。有機水銀はもっとも毒性が強いとされ、血液脳関門や胎盤を通過することができ、さまざまな障害を起こすとされています。

このチメロサールはエチル水銀化合物で、体内に入るとその質量の約半分が、神経毒性のある有機水銀の一種のエチル水銀となります。そのため、チノメサール含有ワクチンを接種した妊婦さんが出産した赤ちゃんや、チノメサール含有ワクチンを接種した乳幼児が自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)を発症すると、原因はワクチンに含まれるチノメサールではないのではと、米国で大騒ぎとなりました。米国ほどではありませんが、やはり日本でもチメロサールと自閉症スペクトラムの因果関係は、おおいに疑われていました。この件に関してインターネット上で検索すると、エチル水銀の毒性が低いといった情報や、チメロサールと自閉スペクトラム症発症の因果関係を否定する情報が、圧倒的に多いようです。

① チメロサールはエチル水銀化合物であり、水俣病の原因物質となった危険なメチル水銀とは異なる。

② マグロを1カン食べるだけで、インフルエンザワクチン4本を一度に接種したのと同量の水銀を体内に取り入れていることになる。加えてその魚介類に含まれる水銀は、ワクチンに含まれる水銀よりも毒性が高い。

③ エチル水銀の血中濃度半減期は1週間未満、1か月で1/30、2ヵ月後は1/500以下だが、メチル水銀の体内からの排出は6~10倍遅い。

④ チメロサールで自閉症になるというのは、ワクチン反対運動家のデマ。






上記のIOMによる結論をWHO(世界保健機構)も採用し、「チメロサールが自閉症スペクトラムを引き起こした根拠はない。」との声明を発しています。

ここで大事なことですが、IMOもWHOも厚生労働省もチノメサールの安全宣言をしたわけではなく、自閉症を引き起こした可能性を否定しているわけでもありません。何事においてもそうですが、何らかのことを主張するのであれば、主張する者は立証責任を負います。チノメサールと自閉症スペクトラム発症との因果関係を主張する研究に、欠陥があったり非科学的、非生物学的な部分があり、主張が認められなかっただけのことで、未知の因果関係の存在の可能性までは否定されていません。

なぜならエチル水銀の毒性は、ほとんど未解明というのが実態です。またエチル水銀をメチル水銀より安全などと、WHOが言っているわけでもありません。ですから水俣病の原因物質であったメチル水銀よりも、ほんとうは毒性が強い可能性もあるわけです。もしそうであれば、マグロに含まれるメチル水銀の量とワクチンに含まれるエチル水銀の量を比較すること自体も、ナンセンスということになります。じつは上記①や②の主張は、お医者さん/医療機関のホームページに書かれている場合が意外と多いのです。毒性がわからないのであれば、とりあえず安全と考えるべきだといった風潮は、たいへん危険だと思います。

なお①に関してですが、エチル水銀も水俣病と同様の症状を引き起こすことが、すでに確認されています。下記は熊本学園大学に所蔵されている、熊本大学病理部の研究レポートです。


③に関してですが、これは厚生労働省のホームページに記載されている、「血中濃度半減期はメチル水銀と比較して短いとの報告もあり、体内からの消失はメチル水銀より速やかであると考えられる。」の部分を具体的に示したものでしょう。しかし血中濃度半減期は第一幕に過ぎず、続く第二幕があります。







以上のように、メチル水銀投与よりエチル水銀(チメロサール)投与のほうが、脳内の無機水銀の量を2倍に引き上げてしまうことが確認されています。そして脳内で増えた無機水銀は、1年たってやっと半分になるというものです。そもそも無機水銀の毒性がそれほど懸念されないのは、血液脳関門や胎盤を通過できなからです。血液脳関門や胎盤が無機水銀を通過させないのは、過剰な無機水銀が有機水銀以上に脳に悪影響を与えるのではという推測も成り立ちます。

この論文の前書き部分に、「米国では新生児が生まれてから2年の間に、20回もの予防接種を受ける可能性がある。(During their first two years, children in the United States may receive more than 20 routine vaccinations.)と記述されています。つまり米国では赤ちゃんは、平均で約36日毎に次から次へとチメロサール入りのワクチンを接種され、赤ちゃんの脳内の無機水銀濃度がどんどん上昇していた可能性があるわけです。

そして私がイチバン懸念することは、基本的にはエチル水銀は人工的に化学合成されたものであって、自然界にはほとんど存在しないということです。いっぽうメチル水銀は太古の昔より、自然界に存在していた物質であり、今も微生物などにより産生されています。つまりメチル水銀は本来は、人類が慣れ親しんでいる安全性の高い物質である可能性があります。極端な高濃度のメチル水銀の環境が人工的に作られたため、水俣病が発生したとも考えられます。

ヒトは何らかの物質で中毒や健康被害が生じれば、その物質は毒素と呼ぶ傾向があります。しかし毒素と栄養素は、紙一重という場合が多々あります。たとえばヒトの必須ミネラルである鉄であっても、貧血だからといって多量の鉄タブを飲み続けると、死に至ることもあります。ヒ素は必須ミネラルとしては扱われていませんが、ごく少量は人体にはなくてはならず、多量摂取すればご存知のように死に至ります。

水銀も同様に人体にとって、必須ミネラルである可能性は、否定されていません。人類は魚類を食することによって、安全な化合物であるメチル水銀を適量に、栄養摂取してきたとも考えることも、可能だというわけです。厚生労働省は妊娠中または妊娠の可能性のある女性に対して、キンメダイやカジキ、マグロなどの魚類、クジラ、イルカなどの海棲哺乳類の摂取量や回数を制限するように注意喚起しています。しかしもしエチル水銀とメチル水銀に相乗毒性があるならば、チメロサール含有ワクチンを接種しないのであれば、制限する必要がない可能性もあるわけです。

チメロサールと自閉スペクトラム症との因果関係は、適切には証明されていないようです。しかし自然界にほとんど存在せず人類が化学合成したエチル水銀の危険性が、これまで人類が慣れ親しんできたメチル水銀よりも大きい可能性は、おおいにあるといえるでしょう。

なおわが国で接種中または接種予定のワクチンにチメロサールが含まれないのにもかかわらず、チメロサールについて書いた理由は、インフルエンザワクチンをはじめとする少なからずのワクチンに、まだまだチメロサールが配合されているからです。WHOはチメロサールフリー(チメロサール無添加/不使用)または配合量減量を勧告しています。しかしチメロサールフリーにするには5回接種用、10回接種用といった複数回用ではなく、コスト高の短数回バイアルにする必要があります。そういうわけでチメロサールフリー化は、まだまだ途上といった状態です。


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